平成30年北海道胆振東部地震。断層と土砂崩れと震源域
今回の大地震で多くの地すべりが起こった厚真町周辺の地震に関する情報を収集・分析しつつ地震の原因を探ってみました。報道で活断層とは無縁としていましたが、そのロジックを知りたくて・・・。
先ずは国土地理院の電子国土webに被災箇所の航空写真を落とし込んだものを入手。
赤い星が今回の想定震源地。そして十字部分が厚真町の中心地付近。そして写真部分が地すべりが多発したエリアです。
次に、国立研究開発法人 防災科学技術研究所のJ-SHIS Mapから活断層帯と地すべり地形のMapを入手(ベースは同じく地理院地図)
両地図を比較すると震源は比較的近かったこと、それと活断層帯(石狩低地東縁断層帯南部)の上で地すべりが多発していることは分かります。
しかし、今回の震源の深さは異例の37km。断層帯の断面よりずっと深い。
活断層の断面は深さ7km~17km程度です。今回の震源とは言えないと考えられ、
この活断層面が起因となる地震の発生確率がほぼゼロという報道もうなずけます。
ではなぜか?それは地震研究者に任せるしかありませんが、実は今年の6月に発表されたデータに、2018年以降、北海道での地震発生確率が高まっていたことを予測していたものがありました。それがコレ。
政府の地震調査研究推進本部事務局がこの6月に発行した「全国地震動予測地図2018年版」で、千島海溝沿いの地震活動を反映させており、根室~苫小牧~札幌あたりの発生確率が5~10ptほど上がっていました。
断層型地震でないとなると、これから断層が震源となる本震が来るのか?それとも未知のメカニズムによるものなのか?注視が必要です。